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どう伝えると効果的? 子どもの可能性を伸ばすコミュニケーション術 7つのポイント

子どもたちは何にでもなれる無限の可能性を秘めています。その可能性を引き出し、伸ばしていくためには、コミュニケーションのとり方にちょっとしたポイントがあります。私がリトルアスリートクラブのレッスンで、子どもたちに運動を教えるときに大事にしていることをご紹介しましょう。

⒈「見通し」をつけて伝える

子どもたちに、私たち大人が言っていることを理解してもらいたいと思ったら、「伝え方」がとても大切になります。
大人は何気なく、「ちょっと待っててね」と言ってしまいますが、この言葉を聞いた子どもたちはおそらく10秒も待てません。子どもにとっては、先の見えない暗いトンネルの感覚なのです。それでは大人でも不安になりますよね?

では、どのように伝えたらよいでしょうか。
大切なのは「見通しをつけて」伝えること。ゴールを示してあげるということです。
イメージは、写真のような、先がはっきり見通せるトンネルです!

見通しのよいトンネル

⒉「目線」をそろえる

皆さん、お子さんとちゃんと目を合わせて話をしているでしょうか?
忙しさのあまり、スマートフォンやタブレットを見ながら会話していませんか? 言葉の理解が未熟な時期だからこそ、「目線」を合わせて伝えることが重要です。
子どもはものすごく純粋なので、「目つき」が変わるだけでもちゃんと聞こうとします。特にきちんと伝えたいときは、「目線」がそろってから伝えてあげてください。子どもの目線の高さまで下がってあげることが重要ですよ。

目線を合わせて会話する親子

⒊伝えたいことは一つずつ!

ワーキングメモリー(短期記憶)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 
数字の羅列を見て記憶し、4、5分後にその数字を発表する。この数が多ければワーキングメモリーがたくさんあると言われます。
成人であればワーキングメモリー は7±2ありますが、未就学児の場合は0~2、多くても3です。
ということは、子どもは一度に多くの情報を伝えると頭がパンクしてしまうのです。
お子さんに物事を伝えるときは、1つ情報を伝えて、達成したらまた1つ追加…というように、伝える側がケアしてあげるのが大切です。

ノートに書き込む子ども

⒋共感する

子どもとのコミュニケーションで大切なこと、それは共感だと思います。「共」に「感」じる。
お子さんが何かを伝えてきたら、それがどんな気持ちなのかをくみ取り、お子さんと同じ感覚になることが大事です。
一緒に喜ぶ。一緒に怒りをあらわにする。一緒に悲しむ。一緒に楽しむ。…
たとえ、お子さんが間違ったことをしたとしても、まずはその言動を認めてあげること。そのあと、どこが間違っているのかを教えてあげるとよいと思います。

一緒に喜ぶ親子

⒌ほめる

子どもに言うことを聞いてもらうために重要なのは、なんといっても「ほめる」ことです。
最初に、『子供を動かす法則』(向山洋一著/明治図書)から、ある言葉を引用します。

「言って聞かせ、やってみせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」

この中の「ほめてやらねば」というのがものすごく重要です。
勉強が不十分であった以前の私も含め、大体の方は「やらせてみて」のあとで「怒ってしまう」傾向にあります。そこがもったいないです。
お子さんの成長のチャンス、意識的にほめてあげましょう!

『子供を動かす法則』の本

たとえ、子どもが間違えていた場合だとしても、まずほめることからスタートします。

たとえば、公園で子どもと一緒に遊んでいて、「右足を上げたケンケンをしてごらん」と伝えたのに、子どもは「左足のケンケン」をしていたとします。皆さんならどうするでしょうか?
「違う! そっちは左足! 反対よ!」。そんなふうに、間違いを指摘する言葉を発してしまうことが多いように思います。

でも、こんな場合であっても、先にほめることが大切です。
「ケンケンはわかったんだね、正解!」。そのあとに「こっちだよ!」と子どもの右足をタップしてあげます。まずほめるポイントを見つけてから、そのあと正しい内容を伝えてあげると、子どもは「間違って怒られる恐怖」を感じずに、いろいろと新しいことに挑戦するようになります。

⒍認める

お子さんが未就学児なら、周りのほぼすべてが新しい刺激として五感で認識されています。つまり、あらゆることに興味津々のため、動物的本能で動いていることが多々あります。
そんなときに、叱るのではなく、感情にまかせて怒ってしまうと、子どもの成長のきっかけを大人が狭めてしまうことになります。
まずは、お子さんの行動を「認める」ことを意識してみませんか?

黒板に書かれたOKの文字

⒎打ち明ける

子どもが失敗をしたとき、どう対応しているでしょうか? このときに大切なのは、大人が同じような失敗談を「打ち明けること」です。
大人でも、自分と同じような失敗談を聞くと、「自分だけじゃないんだ」と安心しますよね。
子どもの場合、その安心感がなおさら必要です。
なぜなら、「失敗した!」という感覚は、子どもにとってはかなりの恐怖です。その恐怖に負けず、萎縮をしないで伸び伸びと育っていってもらうためには、子どもの目を見て赤裸々にご自身の失敗談を打ち明けてみてください。きっと、お子さまの将来が明るくなりますよ。

手を取り合う親子

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